「年収400万なんてゾッとする」
婚活市場やSNSでたびたび話題になる女性の発言。「400万では生活できない」「子育てを考えたら最低500万以上」という意見は少なくない。
しかし実際には、独身男性の約7割(30代前半では約70%)が年収400万円以下というデータが存在する。
この「理想と現実のギャップ」が、未婚率上昇・少子化の一因になっているとも言われている。
婚活女性全体の希望年収調査(明治安田生活福祉研究所)では、
30代未婚女性の約7割が「年収400万円以上」を希望。
さらに約3割が「年収500万円以上」を希望しているが、
30代前半の未婚男性でその条件を満たすのはわずか15〜30%程度という厳しい現実がある。
30代未婚女性の7割が400万以上希望
独身男性の7割は400万以下
ミスマッチが未婚率を押し上げ
少子化との構造的連鎖
▶ 30代未婚男性の年収分布(総務省・就業構造基本調査 令和4年ベース)
※ 30代全体の未婚男性データ(総務省 令和4年就業構造基本調査・こいぬん婚活調べ)。
年収が高い男性ほど既婚率が高いため、未婚男性の分布は全男性より低め。
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」では男性全体(既婚含む)の最多年収帯は400〜500万円(17.5%)。
20代前半
220万円
未婚男性の中央値
- 400万超はわずか約10%
- 500万超は約5%(20人に1人)
- ボリュームゾーン:250万円前後
- 既婚男性の中央値は286万円(大きな差)
20代後半
308万円
未婚男性の中央値
- 400万超は約25%(4人に1人)
- 500万超は約10%(10人に1人)
- ボリュームゾーン:330万円前後
- 既婚男性との差:約72万円
30代前半
333万円
未婚男性の中央値
- 400万超は約30%(3人に1人)
- 500万超は約15%(6〜7人に1人)
- ボリュームゾーン:330〜360万円
- 既婚男性との差:約113万円
30代後半
342万円
未婚男性の中央値
- 400万超は約40%(わずかに改善)
- 500万超は約22%
- 600万超は約11%(9人に1人)
- 既婚男性との差:約145万円(最大)
💗 婚活女性の希望
理想の年収(最多回答)600〜800万円
現実的なライン(最多)400〜500万円
30代女性の「足切り」ライン400万円〜
「高望みしない」最低ライン500万円〜
400万以上希望(30代)約70%
「年収は関係ない」の割合少数派
📊 独身男性の現実
30代前半 未婚男性 中央値333万円
400万円以上(30代前半)約30%
500万円以上(30代前半)約15%
600万円以上(30代)約11%
400万以下(30代未婚)約70%
「結婚相談所で平均的な年収」500万以上多数
⚡ 女性の7割が望む条件を満たせる独身男性は3割以下
明治安田生活福祉研究所の調査によると、30代未婚女性の約70%が「年収400万円以上」の男性を希望。
しかし同年代の未婚男性でその条件を満たすのは約30%程度。
つまり、希望している女性の数と条件を満たす男性の数が完全に逆転している。
さらに「年収600万以上」を希望する層(女性誌JJ調査で約70%)に絞ると、
30代独身男性でその年収帯は約11%しか存在しない。
「現代の30代男性の年収は30年前より約200万円低い」(NHK・三菱総合研究所)という事実も、
親世代の感覚と現代のギャップを深刻にしている。
30%
30代前半の未婚男性で
400万以上はわずか3割
−200万
30年前と比べた
30代男性年収の下落幅
▶ 男性の年収帯別 既婚率(40代前後データ・こいぬん婚活調べ)
💔
THEME 01
「400万ゾッとする」が生まれる理由
- 親世代(高度成長期)の年収感覚が基準になっている
- SNSで高年収男性と出会えるという錯覚が広がる
- 結婚相談所会員は一般より年収が大幅に高い(選択バイアス)
- 「年収600万以上でないと生活できない」という思い込み
- 上昇婚志向:自分より収入が高い男性を選ぶ習慣
- 物価上昇・教育費増大への将来不安
📉
THEME 02
なぜ独身男性の年収が低いのか
- 失われた30年で日本全体の賃金が停滞
- 非正規雇用・フリーターの増加(20〜30代男性)
- 高年収男性は既婚率が高く市場に残りにくい
- 年収300万円未満の独身男性が最多層
- 30年前の30代男性より約200万円低い賃金水準
- 中小企業・非IT系の給与上昇が限定的
🔍
THEME 03
婚活市場の「年収バイアス」問題
- 結婚相談所男性会員の65%以上が年収500万超(一般より大幅高)
- マッチングアプリも自己申告制で年収を盛る人が多い
- 年収確認なしの婚活は現実から乖離した感覚を生む
- 年収400万と800万では申し込み数が約4倍違う(IBJデータ)
- 「普通の男性」と出会えない婚活市場の構造的問題
- メディアが「高収入男性」を過度に取り上げる影響
🏠
THEME 04
年収400万円での生活の実態
- 手取り月収は約26〜27万円(税・社保控除後)
- 共働き前提なら世帯年収600〜700万円以上も可能
- 二人の年収合計で考えると十分な生活水準
- 住宅ローン審査:400万でも3000万程度は通る
- 食費・光熱費込みの月生活費(2人):約25〜30万円
- 「専業主婦前提」の家計設計は現代では少数派
🚨
THEME 05
年収こだわりが招く晩婚化・未婚化
- 女性の7割が望む条件を満たせる男性は3割以下
- 30代後半になるほど年齢の壁が年収を超える現実
- 45歳以上では年収1000万でも30代前半400万より婚活困難
- 「完璧な条件の人を待つ」間に出会いの機会が失われる
- 未婚率上昇→少子化→社会保障費増大という悪循環
- 初婚年齢の上昇で出産可能期間が短縮
📊
THEME 06
30年前との比較:時代の変化
- 1990年代の30代男性 年収ボリュームゾーン:約500万円
- 現代の30代未婚男性 中央値:約330〜340万円
- 約200万円の賃金下落(NHK・三菱総研調べ)
- 一方、女性の希望年収の基準は変わっていない
- 物価・教育費は上昇、賃金は停滞という矛盾
- 親世代の「普通の男性像」が今は存在しない水準
01
「世帯年収」で考える発想転換
男性400万+女性300万=世帯年収700万。共働き前提で考えると現実的な生活水準が見えてくる。専業主婦前提の思考から抜け出すことが第一歩。
02
年収より「成長性・可能性」を見る
今の年収ではなく5〜10年後のポテンシャル、仕事への姿勢、スキルアップの意欲を評価する。20代男性の年収は今後大幅に伸びる可能性がある。
03
年収だけでなく「資産・節約力」も評価
年収400万でも年150万円の貯蓄ができる男性と、年収700万で貯蓄ゼロの男性では、長期的な生活安定性が逆転することもある。
04
「年齢×10万円」を現実的な目安に
専門家が提唱する目安:30代男性なら300万円、40代なら400万円前後を合格ラインとして考える。ここに女性の収入を合算して世帯収入で判断。
05
男性側は「価値」を高める努力を
副業・資格取得・転職・スキルアップで年収向上を目指す。年収以外のアピールポイント(人柄・家事力・コミュニケーション力)を磨くことも重要。